ファウンダーで香水クリエイターの渡辺裕太氏の感性と、香水の本場フランスで活躍する調香師ジャン＝ミッシェル・デュリエ（Jean-Michel Duriez）の知識と経験を用い、日本人が使いたいと思える香水を提案する。
なお、展開している香水名には試作品番号をそのまま使用しており、例えば、「1-24」は、1という種類の香りの24番目の試作品を意味している。


1-24『鈴虫』

湿気をオークモス、乾燥をシダー、熱気をアンバー調の香りとサフラン、涼しさをフゼア調の香りで表現。ひとつの香りの中に、暑さと寒さ、湿気と乾燥という相反するものを感じることができ、そこにアイリスが加わり、不思議となつかしさを醸し出している。

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夏の終わり、『残暑』とは名ばかりで、うだるような暑さは健在、じめっとした空気が肌にまとわりつく。そんな中、ほんの刹那、乾いた風が通り抜ける。あんなに嫌いだった夏が、終わりに近づいていることを、寂しく受け止めている自分がいる。
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香料：ベルガモット、バジル、カルダモン、クロープ、サフラン、ヴァイオレットリーフ、ローズ、オークモス、シダーウッド、ミルラ、ラブダナム、カカオ


2-23『胡蝶』

ウッディノートを中心に、インセンス、レザー、ローズ、四川山椒やジンジャー等のスパイスが華やかに香ります。

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ポルトガルはシントラ。ユーラシア大陸最西端のロカ岬へと続く森の中を、独り歩いていた。
針葉樹系の香りが、粒になって鼻腔の中で弾けるのを感じた。
その時にふと、幼いころアゲハチョウの幼虫を育てたことを思い出した。薄黄色の謙虚な卵を家に持ち帰り、孵化後は毎日山椒の葉を与えた。
サナギになり数日後、美しい翅を持ったアゲハチョウが中から出てきた。
幼虫期を過ごした家を離れるのが名残惜しいのか、少し戸惑いを見せていたが、最終的にベランダからひっそりと飛び立っていった。
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香料：ベルガモット、ローズマリー、バジル、四川山椒、シナモン、ジンジャー、クミン、クローブ、アイリス、ローズ、ゼラニウム、レザー、パピルス、パチュリ、ムスク


3-17『早蕨』

松やシダーウッドのウッディーノートと、ラベンダーやセージのアロマティックノートを、青リンゴ調のムスクが優しく包む。
寒い冬の朝、窓から暖かな光が差し込む様子を表現しました。

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ある冬の朝目覚めると、冷たい部屋に窓から暖かい光が差し込んでいる。
シンプルな木造の小さな部屋、畳の香りがする。
春がもうすぐそこまできていることを知る。
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香料：ラベンダー、セージ、青リンゴ、カーネーション、松、インセンス、シダーウッド、ベチバー、サンダルウッド、ムスク


4-10『乙女』

南国調フローラル、海を感じさせるアクアティック、芝生のようなグリーン、そして土っぽさのあるウッディ。
4つのノートがバランスを取りながら1つのアコードを構成します。

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「最後に、はたと思いあたることがあってトランクをこじあけてみると、宛名はピエトロ・クレスピだが一通も出したことのない手紙が、みずみずしい白百合の花にはさまれ、まだ涙に濡れたままの状態で、ピンクのリボンで束ねられているのが見つかった」
ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
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香料：ベルガモット、アクアティックノート、ティアレ、イランイラン、ジャスミン、ミュゲ、バイオレット、ローズ、オークモス、ベチバー、インセンス、サンダルウッド、ムスク


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